伝えること。



チクチクチク…。
ぞうさんを作ってます。
青いのは大きさや形だけを見るためのダミーみたいなので、赤いのがこれから本番色々変化して最初のモデルとなっていきます。



わたしは、妊娠以前と妊娠後、画期的なくらいに作品に対する気持ちが変化したように思います。妊娠後、作品に対してすごくナチュラルな気持ちで自由度が増したような気がします。
もともと不自由な気持ちで作ってたわけではないけれど、制作してると色々な事にぶつかります。
しかし、妊娠して出産して子育てしてみて、自分がどんどんシンプルになっていっているの。
その時は意固地になっていたわけでも、無理していたわけでもないことなんだけど、後になってみて、あれは意固地だったのかも、とか、無理してたように思う事もあったり、その時はどうでもいい事なわけではないけど、今思うとどうでもいい事だったり。



子供を育ててると、ほんとに少ない時間の中で自分の事をしないといけないわけで、昔のように夜中でも朝でも好きなだけ制作はできなかったり、刺激を求めて飲みに出かけたり、自由にショッピングなんかもできないし、そもそもコンビニすら自由に行けません。
ハガキひとつ出しに行けません。子供が寝静まるまで待ち、大急ぎで行くとかです。



常に子供を第一に考え、子供を守らないとと考え生きていると、いつの間にか必要な事と必要じゃないことがシンプルに見えて来たりして、とにかく無駄をそぎ落とし、そしてまた、無駄の素晴らしさも知るのです。
この素晴らしい無駄すらも、どんな無駄にしようか、むしろ選びとりたい気持ちになったりするんです。



そんな、がんばってがんばって捻出した、貴重な時間の中で作っていく作品たち、そう思うとそれは絶対的に自由じゃなきゃいけない!って思います。
作っている時は心躍ります。
そしてまたさらに、昔からは考えられないんだけど、少しテーマなんかも出て来ているんです。伝えたい、と思ってるみたいなんです。
昔は絶対作品を説明なんかしたくなかったし、説明することもなかったんだけど、今はその文章すらも魅力的であればおもしろいんじゃないの?と思います。



伝えたい、という思い、それも子育てに通じます。
毎日毎日、どのように子供に伝えれば動いてくれるんだろうと、考えます。それは夫に対しても同じ。大切だという思いなどもそうですが、怒りや苛立などできるだけ感じずに暮らしたいし、それは単純に感情の問題ではなく、「伝える」事が重要であったり、そして相手の事を理解する事も大事なんだと学びながら、いかに伝達するか、いかに動いてもらうか、そういう事を日々考えるわけです。
そんなのを考えていたら、伝えること、しかも魅力的に伝える事はすごく大事なんじゃないかと思いました。
まだまだそういう面で駆け出しなので、今後どのように作品が作られていくかわかりませんが、色々実験をしながら作品が進化していく事を願います。