さよならとありがとう。





3年前の4月に、ここから1000km離れた島に船で行ったんだけど、ずっと前からこの日記を見てる人は知ってるかもしれないけど、わたしはその島で恋におちました。




その島に行くには一週間に1回しか船がでてなくて、ま、乗ったら一週間帰って来られないわけで、その船にわたしはひとり乗って、それでその船に乗ってたその男の子(当時その島に住んでた)とその子の知り合いの渋いおじさんと仲良くなって、島に着いてからも3人でずっと行動したてたの。




その子もおじさんもすごい素敵で、日に焼けた肌は、太陽と美しい浜辺がめちゃめちゃ似合ってて、おじさんはすごくいい人で、島にいる間中ずっとごはんとか奢ってくれたりして、3人で楽しい時間を過ごした。
おじさんはお酒が大好きでほとんどごはんは食べなかったけど、わたしたちには好きなものを食べさせてくれた。




島から帰ってもたまにごはん食べたり、年賀状のやりとりをしていた。
病気なので療養に病院に引っ越します、こちらはのんびりしてるから、また遊びにおいで、というハガキをもらったっきりだった。
忙しさにかまけて、気にしていなかった。
同じ病気で入院して、だけど復活してる知り合いもいたから大丈夫だとたかをくくっていた。




おじさんが亡くなったという知らせを今日バイト中に聞いた。




なんか自分が、すごく薄情におもえたよ。
あんなにお世話になったのに。
なにやってんだろ。
何にもお返しできないまんま。
何も満足させてあげられず。
与えられるだけ与えられて。




この月はその島の月なんだけど、わたしは帰ってからもずっとこの月が印象的で、月の絵を沢山描いた。
なぜなら月くらいしかその島にいるその子と共有できなかったから。
電波もほとんど届かない島だったし、とても遠く離れていたから。
幸せな恋じゃなかったけど、わたしにキョーレツな印象を残した。
今その島の写真を見るだけでも、毛穴という毛穴から、傷口という傷口からなにかがはみだしそうになる。
そしてその光景には、必ずおじさんもいる。
青い石をいっぱい拾ってくれたおじさん。
きれいな珊瑚を、いっぱい集めていたおじさん。
なんか、わたし、このことで何かを確実に得たような気がする。
何かを失ったのかもしれない。
もっともっと大切に生きよう。




おじさんさようなら。
ほんとにありがとう。