絵の具の匂い。




あ……暑いですね。



今、絵の具にまみれた肌色の絵の具のチューブが向こうの方にあるんだけど、それを見るだけで、絵の具の匂いを思い出してツーンってなんか愛おしくなってしまっちゃう。



たまに、絵を描くことというひとつの表現方法で、飽きたりしないんですか?って聞かれることがあるのですが、飽きないでずーーと続けて来られたって、すごく不思議で、じぶんにとっても、なんだかすごいことに最近は深々と思えてしまう。



絵を描くのも好きだけど、たぶん絵の具が好きなのかもしれない。
筆とか水とか紙とかダンボールとか襖とかキャンバスとか、もしくはその辺に落ちてるゴミの板とかでも、そこに生命を宿す時、そこには愛がいつもある。
男女が愛しあって子供をつくるのと同じ原理なのかもね。
画材や何かを生み出す原材料は、ちいさい時からいつもわたしの傍にあった。
それはわたしがひとりぼっちで孤独な時でも、それらだけはいつも無条件に傍にあった。
そういうツールもあってかもしれないけど、材料を見ているだけで、ツーンと胸を打たれてしまう。