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天使はずいぶん悪魔に憧れていて


自分の羽を真っ黒に塗りつぶした


どうしても角だけが生えてこないと


嘆く姿はどうみても天使だった


ってチバちゃんが唄ってる


わたしはどう考えても


悪魔に憧れる天使で


もしかしたらそんな悪魔に憧れる天使に


実は憧れて身体中を真っ白に塗りたくる


けど


角だけが隠せない


真っ黒の鋭った悪魔かもしれない










じゃじゃ馬だとかイカレ女だとか


昔はほんとによく言われた


だからこそ乗りこなすのがおもしろいとか


あほみたいなセリフにクルクルまわっていた


だけど今は親までが


アンタハホントニムツカシイヨ


というようになった


現実的だ


馬どころではない









あんたたちはだいたい


目に見えることしか信じない


眼球で見えることなんて


ただの光の反射でしかないのに








言葉があるから意味がある


意味を求めるから言葉がある


たいがい人間的


作品は感性でしかなく


ほんとはもっと原始的で


まったくもって言葉とか意味に辿り着くまでには


ずいぶんとかけ離れてる気がする


でも人は求める


言葉を


意味を


きっとたぶん


感じる機能をどんどん忘れていくんだ








心に


アイスピックとカナヅチ


それからナイフを入れて生きる


死ぬまで鋭く


尖って生きる







手のひらひろげて


目を見開いて


うけとめる


今まで感じたこれ以上の痛みもすべて

















photo by さとーひろし

writing by 太田由美